卒業式出席をサポートして〜脳卒中つくばリハビリセンター〜

今回、脳卒中つくばリハビリセンターは、

クライアントさんが念願のお子さんの卒業式に出席する為、

サポートいたしました。

卒業式出席に向けた取り組みや、卒業式の様子をお伝えいたします。

今回、

クライアントさん、ご家族様からも

脳卒中後遺症でお悩みの方に勇気をお届けしたいとの思いから、

報告の許可を得ております。

クライアントさんは、

脳幹出血の発症からから2年が経過した40代の男性。

意識障害を乗り越えたが、

重度の片麻痺と反対側の上下肢・体幹の失調、構音障害などの後遺症があり、

車椅子生活を送っていた。

病院から退院し、自宅生活を送り始めた時点では、

移乗動作は2人介助、

座位保持は全介助、

歩行は全介助、

長下肢装具を装着し、ベッド柵を利用して

歩行距離は1m程度であった。

私がクライアントさんに出会ったのは半年前、

「息子の卒業式に歩いて出席したい」

この希望を胸に、サポートが始まった。

ケアマネージャー、医師、歯科医師、看護師、介助士、理学療法士、言語聴覚士、

運動指導者、福祉用具サポーターで構成された介護サポートチームに

脳卒中つくばリハビリセンターも加わった。

開かれた担当者会議で目標を共有し、

目標達成に向けたサポートが始まった。

チームでの情報交換、医療・介護ケアを通じて、

クライアントさんの動作レベルは着実にアップしていった。

そして、

澄み切った青空の下、卒業式当日を迎えることができた。

この日だけは特別!

記念写真も撮影することができた。

いよいよ体育館の会場へ。

実は、

2年前に脳出血を発症した場所が、

同じ学校の体育館前だったのである。

それでもクライアントさんは緊張した様子も見せず会場入りし、

短下肢装具を装着、四点杖を使用して、

自分の足で会場を歩いた。

介助をしていた私の手にも、

一歩一歩突き進む足取りに、

クライアントさんの強い気持ちが感じられた。

席に着くと、

在校生から温かい拍手が溢れた。

式中では、立って息子さんを迎えたいとのことで、再びサポートし、

息子さんから卒業証書をしっかりと受け取った。

そして、

最後まで卒業式を過ごすことが出来たのである。

今回、クライアントさん、ご家族様は、

  • 障害と向き合い、突き進んだこと
  • 目標に対して強い気持ちでリハビリに励んだこと
  • 掲げた目標をしっかり達成したこと
  • 親としての役割をしっかり果たしたこと

これらを達成することが出来たのである。

リハビリテーションの本質は社会復権である。

このようなサポートに一助として関わることが出来、

貴重な経験をさせていただいたことに

感謝申し上げます。