卒業式出席をサポートして〜脳卒中つくばリハビリセンター〜
今回、脳卒中つくばリハビリセンターは、
クライアントさんが念願のお子さんの卒業式に出席する為、
サポートいたしました。
卒業式出席に向けた取り組みや、卒業式の様子をお伝えいたします。
今回、
クライアントさん、ご家族様からも
脳卒中後遺症でお悩みの方に勇気をお届けしたいとの思いから、
報告の許可を得ております。
クライアントさんは、
脳幹出血の発症からから2年が経過した40代の男性。
意識障害を乗り越えたが、
重度の片麻痺と反対側の上下肢・体幹の失調、構音障害などの後遺症があり、
車椅子生活を送っていた。
病院から退院し、自宅生活を送り始めた時点では、
移乗動作は2人介助、
座位保持は全介助、
歩行は全介助、
長下肢装具を装着し、ベッド柵を利用して
歩行距離は1m程度であった。
私がクライアントさんに出会ったのは半年前、
「息子の卒業式に歩いて出席したい」
この希望を胸に、サポートが始まった。
ケアマネージャー、医師、歯科医師、看護師、介助士、理学療法士、言語聴覚士、
運動指導者、福祉用具サポーターで構成された介護サポートチームに
脳卒中つくばリハビリセンターも加わった。
開かれた担当者会議で目標を共有し、
目標達成に向けたサポートが始まった。
チームでの情報交換、医療・介護ケアを通じて、
クライアントさんの動作レベルは着実にアップしていった。
そして、
澄み切った青空の下、卒業式当日を迎えることができた。
この日だけは特別!
記念写真も撮影することができた。
![](https://no-no-reha.com/wp-content/uploads/2022/04/4448b8ea6705c7c9ec0604eeb01513b2.png)
いよいよ体育館の会場へ。
実は、
2年前に脳出血を発症した場所が、
同じ学校の体育館前だったのである。
それでもクライアントさんは緊張した様子も見せず会場入りし、
短下肢装具を装着、四点杖を使用して、
自分の足で会場を歩いた。
介助をしていた私の手にも、
一歩一歩突き進む足取りに、
クライアントさんの強い気持ちが感じられた。
![](https://no-no-reha.com/wp-content/uploads/2022/04/4bec707df4270c9ef3715ce1311db032.png)
席に着くと、
在校生から温かい拍手が溢れた。
![](https://no-no-reha.com/wp-content/uploads/2022/04/b366af06a18c5fb88a5faa9483dfb14a.png)
式中では、立って息子さんを迎えたいとのことで、再びサポートし、
息子さんから卒業証書をしっかりと受け取った。
そして、
最後まで卒業式を過ごすことが出来たのである。
今回、クライアントさん、ご家族様は、
- 障害と向き合い、突き進んだこと
- 目標に対して強い気持ちでリハビリに励んだこと
- 掲げた目標をしっかり達成したこと
- 親としての役割をしっかり果たしたこと
これらを達成することが出来たのである。
リハビリテーションの本質は社会復権である。
このようなサポートに一助として関わることが出来、
貴重な経験をさせていただいたことに
感謝申し上げます。