脳梗塞片麻痺の温泉旅行記②!予約から達成までの道のり!

 

 

今回は、脳梗塞片麻痺の方の旅行記の実際をお届けします。

 

 

脳卒中片麻痺の方にとって温泉旅行は楽しみの一つです。

 

旅行の準備から旅行に行ってくる工程を踏まえると、

社会参加として生きがいを見出す大きなイベントです。

 

 

前回は、

脳卒中片麻痺の方の温泉旅行を達成するための秘訣を

環境面と能力との関係からお伝えしました!

 

下調べをしっかりしていても、

実際に現地に行ってみると、

 

「なんと、これは困った」

 

と、発見することや気づかされることばかりです。

 

そんな時、知恵を絞って、

 

「こうしたら上手くいくかな!?」

 

と、臨機応変に対応することが求められます。

 

 

今回は、脳梗塞片麻痺の温泉旅行記②として、

実際の予約から旅行の物語をお伝えいたします。

 

 

 

※本ブログはあくまで一考察であり、絶対条件を示すものではありません。

個人の能力や介護者の有無、宿の環境によって大きく変わることを

ご理解ください。

(今回は、身の回りは一部介助、移動は杖歩行と車椅子併用の動作レベルを基準にした、三世代の旅行記です)

 

 

 

下調べは入念に!

 

前回の投稿で、下調べで旅行の達成はほぼ決まるとお伝えしたように、

予約前の下調べは重要です。

 

さて、今回の温泉旅行は以下の初期条件です。

 

・1泊2日

・脳卒中者 杖歩行と車椅子の併用

      生活は一部介助レベル

・主介護者 妻

・本人、妻、息子、孫2名(計5名 三世代)

 

 

初期の条件を、もう少し具体的に掘り下げます。

 

・暑い時期や寒い時期を避ける(春または秋が候補)

・温泉地までの移動に負担が少ない(自動車で数時間程度)

・車椅子が使える環境(介助下)

・寝具はベッド使用

・孫は布団使用

・料理は本人に制限無し

・孫は、食べ物に好き嫌いが若干あり

・温泉は、風呂の縁に座れる

 

これらがざっくりとした必要な条件ですが、

 

これだけでも大分該当する宿泊施設が絞れてきます。

 

→今回は、秋

→近隣の都道府県の温泉地

→部屋は和洋室

→食事 孫の食事に配慮して、可能ならバイキング

 

ネットで検索すると、

この時点で宿が一桁に絞れました。

 

 

次に、車椅子が使えるか、

移動に配慮した条件を満たすかを調べます。

 

この時点で候補が3つになりました。

 

 

いよいよ、温泉の条件です。

温泉の写真から、手すり、温泉の縁に座れるかなどの設備条件を吟味して

色々調べていくと、候補の宿が2つに絞れました。

 

2つ宿の条件です。

 

A:旅館  和洋室、貸切風呂あり、大浴場は何とか入れる、部屋での懐石

B:ホテル 和洋室、貸切風呂無し、大浴場は何とか入れる、バイキング食

 

ここで考えます。

 

Aは、部屋条件はOK!貸切風呂もあるし、

脳卒中の本人は楽しめる、妻も介護が可能・・・。

いけるかっ!?

 

・・・むむ、待てよ!

孫が食事を楽しめないかもしれない!

 

Bは、部屋条件はOK!息子による介助で大浴場は何とか入れるか!?

食事は、全員が楽しめる!

 

 

大人だけの温泉旅行なら迷わずAですが、

孫も含め全員が楽しめる条件となると、Bの方が良さそう。

 

 

ではBで確定!・・・と決めたいところですが、早ガッテンは禁物!

 

 

上記の条件だけではなく、

細かい条件がクリアしているかを直接宿に確認します!

 

例えば、

・温泉は、脱衣所から段差等無く入れるのか

・室内に車椅子は入れるのか

・部屋のトイレは本当に洋式か

 

などです。

 

細かい条件がを満たさないと苦戦することが多いからです。

見取り図で内観を確認します。

 

すると、しっかり問題を発見!

 

和洋室のタイプが、床上ベッドの部屋と畳上ベッドの2種類あったのです。

 

床上ベッドは入り口から段差がなく、ベッドインが可能ですが、

畳上ベッドは畳に上がる必要があるため、

段差昇降の負担や、トイレに行くときに一苦労します。

 

 

すぐ宿泊先に連絡を取り、

床上タイプの部屋が予約可能であることをしっかり確認しました。

 

<画像で確認できた事>

 

 

 

ついに、予約完了です!!

 

 

 

実際に行ってみて分かる障壁

 

事前に下調べや確認をしっかりしたとしても、

 

やはり、現地の宿泊先に行って初めて気づかされる障壁はたくさんあります。

 

いくつか具体例をご紹介します。

 

到着して、いきなり入り口正面の段差です。

これでは車椅子は苦労します。

 

少し横に移動すると段差がなく入れる箇所があり、

降車と入り口はここからです。

 

旅行が嬉しいのか、こういう時は孫も積極的に手伝ってくれるので、

介護者も大助かり。

 

建物の中は段差なく移動が可能ですが、

カーペットのためタイヤの運びが重い。

 

 

フロント横のトイレは、ドアが引き戸でスペースも確保されていますが、

男性トイレ内の設備のため、女性(妻)による介助は難しい

障害者用のトイレはありません。

 

トイレの洗面は、車椅子が入らない。

 

エレベータ内に座席・荷物おきが配置されているため、

車椅子には返ってスペースが狭い。

 

う〜ん、

介護用の設備が整っている施設とは違い、

一般宿泊施設は、やっぱり色々障壁に感じる箇所がありますね〜。

 

 

 

部屋こそ臨機応変な調整を!

 

前述のように、部屋にも色々と障壁に気づかされます。

 

一番長い時間を過ごす部屋だからこそ、

過ごしやすい環境作りをその場で工夫します。

 

 

部屋の入り口は開き戸で、車椅子が1台ギリギリ通れる幅でした。

ここで、ドア止めを使うと数cmの遊びが無くなり狭くなるため、

ドア止めは使わず、ドアを直接押さえて通り幅を少しでも広く使います。

 

和洋室の様子から、和室の利用は床上動作が少し苦戦しそうなので、

今回は基本的に椅子やベットで過ごします。

 

通路や車椅子の方向転換はそのままの環境で通れますね。

 

2台並んだベッドは横に動かして離し、

車椅子をベッド横に配置できる幅を確保します。

 

ベッドの柵が無いため、車椅子をバックで横付けして、

アームレストを柵の代替えとして使用します。

 

実際に起き上がれるか、動作を確認しました。

 

 

くつろぐ椅子は、座面が低く、

和室の座布団でカサ上げして座面を高くし、

座りやすくします。

 

トイレ、浴室は開き戸です。

出入りに邪魔にならないように物品の位置に気をつけます。

 

トイレ内は歩いて移動が可能なため、歩行を中心に移動します。

残念ながら手すりがないので、安全に行えるか一度は動作の確認をします。

 

浴室はまたぎ動作が必要になりますが、今回は使用せず済みました。

 

洗面台も家とは高さが違います。

バランスに必要な支え方が普段と違うため、慣れてもらいます。

 

ふう〜、

生活を見直すきっかけになりました(汗)

 

 

これらの条件も、温泉旅行の達成を左右するため、

最低限確認が必要になります。

 

 

 

食事は一つ一つの確認を!

 

部屋でくつろいだ後は、夜のバイキングです。

 

移動は車椅子、会場はカーペット

イメージは大体ついているのでOK!

 

食形態は特別な配慮は無し。

 

食器はバイキングだと大きめのワンプレートを使うことが多いため、

小分け皿よりも食べやすく済みました。

大きめのフォークが置いてなかったので、借りました。

 

普段から自助具を使っている方は、

忘れずに持ってくることをお勧めします。

 

 

大変なことは、移動距離、取り盛り、料理の運搬です。

そこは家族に手伝ってもらいます。

 

でも、せっかくだから、食べたいものは自分で選びます!!

(誘惑がいっぱい、食べ過ぎ注意!!)

 

ワーファリンとの食べ合わせを、気をつけました。

 

ふう〜

満足!

 

 

 

温泉は事前の説明と入浴のイメージがポイント!

 

いよいよ旅行のメイン、温泉に入ります。

 

男性風呂と女性風呂に分かれるため、本人は息子の介助が頼りです。

本人も介助者も未知の環境です。

 

いきなり入るわけではありません。

 

実は、食事前に介助者がすでに温泉を下見していたのです。

そして、入浴のイメージを作っていたのです。

 

・移動手段は?

・脱衣所での着替え方

・車椅子の置き場とタオルの設置

・浴室内の移動に使う杖と下肢装具

・体洗い場のシャワーチェア

・出入りが可能な温泉

などなど

 

この入浴のイメージをしっかり本人に説明してから入ったため、

安心して入浴できました。

 

入り口

車椅子専用のスロープ

 

脱衣所

手すりは無いが、段を手すり代わりに利用

 

空間を利用して車椅子を置きます

 

温泉のドアは開き戸ですが重く自動で閉まるので、

転ばないように介助者がサポートします。

 

洗い場にシャワーチェアーが置いてあったことはありがたいですね。

 

温泉に入るときも手すりを利用し、浴槽の縁に一度座ってから入り、

念願の温泉に浸かることが出来ました。

 

何年ぶりでしょうか!

気持ちいい〜!

 

 

初めての温泉環境下では混乱しやすい場面がいっぱいです。

介助者のサポートが必要不可欠です!

 

 

今回は、浴衣は諦めました。

 

 

 

泊まりで配慮する夜間の過ごし方

 

日中のお楽しみが終わると、いよいよ就寝です。

 

孫たちも遊び疲れて寝入りも早い。

 

さて、夜間は配慮することが一つあります。

 

そうです。

夜の排泄です。

 

部屋の明るさ、ベッドからの起き上がり、装具の装着、トイレまでの移動、

 

普段の家での生活様式の違いに慣れないことばかりです。

 

こんな時は、尿瓶が活躍。

介護用品の準備も抜かりなく。

 

夜も安心して過ごすことが出来ました。

 

 

次の日、お目覚めはなかなか良好。

 

天気にも恵まれ、秋日和。

 

夜を経験すれば、朝の準備も滞りなく進みます。

 

整容

身支度

 

そして、朝食バイキング!

 

 

旅の面白いところは、予期せぬことが起こることです。

 

 

知り合いかと思い声をかけてみると、残念ながら人違い。

でも、新しい出会いが生まれました。

 

2日目、観光を巡り、

無事に帰路に着きました!

 

 

最後に一言、

 

「また行きたい」とのことです。

 

 

 

まとめ

 

今回は、脳梗塞片麻痺の温泉旅行記②として、

実際の予約から旅行の物語をお伝えいたしました。

 

生活の先にある温泉旅行という余暇は、

脳卒中の方にとっても楽しみの一つです。

 

・予約前の下調べ

・旅行のシミュレーション

・現地での臨機応変な調整

 

旅行の達成に必要な要素です。

 

その達成には環境の調整や周囲のサポートが必要不可欠です。

 

 

 

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