失語症に役立つ生活の工夫!リハビリテーションと関わり方

 

あなたが失語症になってしまったらどのようなことに困りますか?

まず、

言葉が出ない

話せない

といった発話に関わることに悩むと思います。

 

また、話せないことで、

外出や人と会うことを避けたりするかもしれません。

 

失語症は、単に話しにくいコニュニケーションの問題だけを指すのではありません。

 

言語野の損傷の場所によって、

聞く理解する話す読む書くといった音声や文字に関わる機能に

障害が起こる可能性があります。

また、障害を機に、地域社会への参加を制限してしまう可能性もあります。

 

そのため、どの要素に障害がありどの要素はしっかり活かせるのかを評価し、

リハビリテーションに取り組む必要があります。

 

また、どのようなサポートをすることで社会参加が可能となるのか、

環境や周囲の方の工夫で前向きな生活や社会参加が可能となります。

 

やはり、前向きな生活を目指したいですよね!

 

今回は、

脳卒中の後遺症である失語症の

リハビリテーションと関わり方についてお伝えします。

 

 

失語症の評価

 

失語症の評価として、リハビリテーションの専門家により

主に2種類の評価バッテリーが使われています。

 

標準失語症検査(standard language test of aphasia:SLTA)

 

・「聴く」「話す」「読む」「書く」「計算」の26項目について、

 各6段階で評価をします。

・失語症の有無、重症度、タイプを診断できます。

・定期的に実施することで、治療効果や自然回復について経時的な言語能力を

 把握できる検査です。

 

Western Aphasia Battery(WAB)失語症検査

 

・失語症全般を捉えることができ、臨床的にも実用的である。

・口頭言語の部分は1時間以内で検査が可能。

・検査得点からブローカ失語、ウェルニッケ失語、全失語などのタイプ別分類を

 試みている検査法である。

・失行検査、半側空間無視の検査、非言語性知能検査などを含んでおり、

 神経心理学側面も評価できる。

・失語指数が算出できるので、失語症の回復あるいは増悪を評価しやすい。

 

 

どちらの評価法も点数を算出するため、その後の回復の状態を比較しやすいのも特徴です。

 

 

失語症のリハビリテーション

 

気になることは、リハビリテーションを続けていくと治るのか?

 

これについて言語障害の予後を調べていくと、

完全に元通りになることは難しく、

何らかの不便さを感じながら生活していくことが多いのが現状です。

しかし、失語症の改善は、長い年月を経て確立されていくとも言われています。

根気よく取り組むことが求められます。

 

失語症のリハビリテーションは、

①障害そのものの改善

②残された言語機能の活用

という2つの進め方があります。

評価の段階で、

「理解」「話す」「読む」「書く」「計算」の

どの要素が低下しているのかを見極めます。

 

障害の改善を目的とした練習は、

患者に、質問をして聞く、文字を見るなどの刺激を与え、

うなずく、首を横に振る、文字を指さすなど

状況に適切な反応を引き出すように進めます。

 

残された言語機能の活用は、

刺激に対して反応を引き出す過程の中で、

ジェスチャー

生活や動作の絵カード

積極的に織り交ぜながら

より効率のよいコミュニケーションが

能動的にできるように工夫し身につけていきます。

 

コミュニケーションの手段というと

言葉を用いて行うものという印象が強いですが、

私たちは、たくさんの身振り手振り表情で意思を表現しています。

実は、言葉を用いないコミュニケーションが主流であり、

効率的なコミュニケーションの手段になり得ることを理解することが大切です。

 

 

よき関係性を築く関わり方の工夫

 

円滑なコミュニケーションが取れないと、

伝えきれない歯がゆさと

理解できないもどかしさで

お互いがイライラしてしまいます。

 

よく、「なんて言ってるの、わからないよ」など、

怒って心無い言葉を浴びせている家族を見かけます。

このやりとりが普段の生活でずっと続くとなると、

お互いの人間関係が崩れてしまいます。

 

大切なことは、お互いが歩み寄ることです。

 

失語症の方と接するときに、

家族や周囲の人が心掛けておきたい6つのポイント

お伝えします。

 

1、ゆっくりとわかりやすい言葉で話しかける

2、やさしい漢字や絵、図を書いたり、ジェスチャーや物を示すと、

  理解しやすいことがある

3、言葉が出にくいときは、「はい」「いいえ」で答えられるよう質問を工夫する。

  言いたいことを推測して、答えを書いて示すことも有効です。

4、言葉が出ないときは、少し待ってあげる。
  なかなか言葉が出ないときは、「~のことですか?」など助け船をだしてあげる

5、言い間違いを、指摘したり、笑ったり、何度も言い直させたりしない

6、生活リズムやスタイルをある程度パターン化することで混乱しない。

違いが発生した時に気づきやすくする。

 

このような周囲の方の工夫があると

失語症の方は本当に助かります。

よき人間関係を築き、前向きな生活を送るきっかけになるのです。

 

 

 

外の世界に触れることの大切さ

 

これまで家庭でできる工夫を示してきましたが、

うまく話せないために人との関わりを避け、

家に閉じこもりがちになる人も多くいます。

 

可能な限り外出を楽しむことも大切です。

 

では、なぜ外出することが良いことなのか??

 

外出すると、家の中では得られないたくさんの刺激を受けることが出来ます。

 

その刺激によって抱く感情は言語機能と密接に関係していることから、

言葉を発するという行動に繋がりやすいのです。

 

また、家族以外の人とのコミュニケーションの機会が増えることで、

社会性が生まれ、よき人間関係を形成するきっかけになります。

 

・外の空気を吸う

・咲いている花を眺める、

・スーパーで美味しい食べ物を選ぶ

・知り合いの人に会釈をする

 

外でみられる何気ないことですが、

そのような刺激を得ることで、意志の表現と疎通が生まれるのです。

 

 

 

まとめ

今回は、

・失語症の評価

・失語症のリハビリテーション

・よき関係性を築く関わり方の工夫

・外の世界に触れることの大切さ

についてお伝えしました。

 

コミュニケーションは自己の意思を相手に伝える大切な手段です。

コミュニケーションが取れないことは非常に不安であり、

生活や対人関係に困ってしまいます。

 

リハビリテーションの意義が社会への復権であるからこそ

失語症と向き合ってどんどん社会参加していけることはとても良いことです。

そのためにも、家族や周囲のサポートが必要不可欠です。

もし失語症の方が身近にいたら、

積極的に寄り添ってサポートできる、そんな社会を築きたいですね。

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