脳卒中による障害はどこまで回復が進むのか?脳卒中つくばリハビリセンター!

脳卒中を患い身体に障害を負ってしまった時、

誰もが元のように回復したいと願います。

いつまでどこまで回復するのか気になりませんか!?

ズバリ、

その答えは、現代医学ではまだはっきりと分かりません。

人間は誰しも徐々に老化しますが、生ある限り脳は何歳になっても変化し続けます。

現代医学の研究では、脳機能の10%程度しか解明されていないと言われており、脳の回復にはまだまだ未知の可能性を秘めています。

今回は、成人の脳卒中について、

障害の回復はどこまで進むのか

その一助をお伝えいたします。

1.障害の回復に影響する因子

脳について

脳の働きは役割分担され、それぞれの働きを神経でつなぎ命令を伝えています。

病巣や神経の損傷の場所により症状は様々に現れます。

そのため、脳の回復も個人差が大きいですが、

先人の方々の研究を参考に、

一般的に回復に影響を与える3つの因子を紹介いたします。

まず一つ目は、意識障害です。

発症時に意識障害が無い方が、回復が良いと言われています。

脳卒中はしばしば意識障害を伴いますが、

意識が無いと脳は命令もできず手足も動きません。

ぼんやりしていたら、脳からの命令が正確に手足に伝わりません。

意識ははっきりしているほど回復は進みます。

二つ目は、年齢です。

人間の脳機能のピーク年齢は、能力ごとに違っています。

参考に、

例えば、情報処理能力や記憶力は10代後半、顔の認識は30歳前後、集中力は43歳前後、感情の認知能力は48歳前後、計算能力は50歳前後、語彙力は67歳前後がピークと言われています。

つまり、回復に必要な情報処理や記憶は若ければ若いほど脳機能が活発であり、回復が進みますが、年齢を重ねることで、熟練度が増すわけです。

過去の研究より、回復予測のデータでは60歳が参考指標となっていますが、

病状により70歳、80歳でも回復は進みます。

最後に3つ目は、排泄障害です。

排泄障害は聞き慣れないと思いますが、

いわゆる、おしっこやうんちです。

実際、脳卒中の約半数の方が何らかの排泄障害を伴っており、

運動機能の回復と排泄機能の回復には繋がり(相関)があると言われています。

詳しいメカニズムはまだ解明されていませんが、

運動と排泄の中枢が脳(脳幹)と脊髄にあり、

これらの働きで排泄をコントロールしているため、

排泄機能の回復が進むと運動機能の回復が進みます。

2.脳の可塑性について

今までの話は何となく理解できますが・・・

でも、確か病院では医者から、

「回復は3ヶ月間程度です」

「もう歩くことは難しいかもしれません」

「手の回復は難しいかもしれません」

と言われたことがあるという方も多いと思います。

なぜでしょうか?

一昔前は脳の研究はまだ発展しておらず、回復の状態を診て経験予測的に3ヶ月程度でプラトー(頭打ち)に達すると言われていました。

この考えは病院によって今でも根強く残っています。

しかし、脳画像など医療機器が発展してきた近年では、脳の様々な働きが徐々に解明されてきています。

その働きの一つが

脳の可塑性(かそせい)」です。

これは、受ける刺激の変化により、脳も変化し続けるという働きです。

つまりしっかり使えば使うほど脳は発達しますが、使わなければ衰えるということです。

実際に脳卒中を発症してから何年も経っているのに、

集中して練習を続けたら歩けるようになったとか、

麻痺した手で紐を結べるようになったなどの声を耳にします。

一方で、徐々に腕が硬くなってきた、

脚の踏ん張りが利かなくなってきたとの声も耳にします。

どちらが嬉しいでしょうか?

ほとんどの方が前者ではないでしょうか!

それならば、脳がオーバーヒートしないように適切に使い脳を発達させ、

獲得したい生活動作を身に付けたいですよね。

回復の可能性があるならば、信じて身体を使い続けたいですね。

3.最新の脳の研究について

近年、テレビや新聞で

幹細胞杯細胞iPS細胞という言葉をよく耳にします。

ご存知の方も多いと思います。

様々な臓器に変化できる細胞と言われており、

脳の細胞になることも出来ると言われています。

実際にこの細胞から出来た脳の細胞を障害を負った脳に取り込み育てることで、障害が回復する研究が進められてきています。

本当に嬉しい話ですよね。

勝手なことは言えませんが、

将来、身近な病院で脳卒中の治療に利用される日がくることを願いたいですね。

4.希望に溢れたリハビリを

超高齢化が進み医療費が莫大に膨らむ現代、医療とリハビリの高回転化が進み、医療機関での脳卒中のリハビリは180日と期間が設定されています。

何年経っても脳や障害の回復、動作の獲得に可能性があるのであれば、

能力を維持するだけのリハビリでは無く、

希望を達成するリハビリと生活を送りたいですね。