脳卒中の症状で高次脳機能障害に悩んだことはありませんか?

また、医療職や家族の方で対応に困ったことはありませんか?

 

リハビリや生活で悩む高次脳機能障害シリーズ

 

第3回目は

「高次脳機能障害の種類と症状」です

 

前回の第2回目、脳の機能分担と役割では

脳の機能にフォーカスし、

脳の種類と役割、脳の情報を伝える神経の繋がりをお伝えしました。

 

高次脳機能障害の症状は多彩であり、

『眠そうで元気ないなあ』

『なぜ目線を合わせず、無視をするのだろうか?』

『いつも急に動きだすから危険』

『言ったことが分かっているのかな?』

などの症状に面したこともあるかもしれません。

 

高次脳機能障害は脳卒中の方も周囲の方も普段の生活では慣れないため、

混乱することも多いと思います。

 

第3回目の高次脳機能障害の種類と症状では、代表的な高次脳機能障害について、

生活場面での症状を紹介しながら説明していきます。

 

高次脳機能障害の主な種類

 

今回ご紹介する高次脳機能障害は

注意障害

失認

失行

失語

遂行機能障害

です。

 

第2回目でお伝えした「脳の部位と役割」を踏まえながら、

脳が損傷した時に役割が機能しにくくなると捉えると

症状が理解しやすくなると思います。

 

一つの例を挙げると、

頭頂葉の役割に「体の位置を認識する」とありますが、

頭頂葉が損傷すると体の位置が認識できなくなるため、

麻痺の手がどこに置いてあるのか気づかずに無視をする

といった感じです。

 

また、左右の脳によっても働きが違うため、

どちらの脳が損傷したかによって現れる高次脳機能障害が違うことも抑えておきたいですね。

 

左右の違いを図で示します。

注意障害遂行機能障害は左右両方の損傷で症状が出やすいですが、

左脳の損傷では、失行失語

右脳の損傷では、失認(無視)が出やすいです。

 

では、それぞれがどんな症状なのか、次の項目で説明していきましょう。

 

注意障害

 

物事で失敗をすると、「注意しなさい」などよく叱られることがありますが、

そもそも注意とは何でしょうか?

 

注意とは、覚醒し、物や人などに気を配り、物事に集中し、それを維持する基盤となる機能です。

注意障害は、これらが出来なくなる状態です。

脳幹や前頭葉、視床、大脳基底核などの損傷やそれぞれを繋げる神経の損傷で注意障害が出ます。

 

生活場面では、

話しかけてもボーッとしていたり眠ってしまう

音がなったり、人が横を通ると気が散って脇見をする

作業に取り組んでも、すぐに疲れて続かない

などが観察されます。

 

やる気がないと誤解されやすいですが、

温かく見守ってあげたいですね。

 

失認

一つの感覚を介して対象物を認知することができない障害のことです。

視覚、聴覚などの認識ができなくなります。

病気を認識しない病態失認

半分の空間を認識しない半側空間無視

自分の体を認識しない身体失認などがあります。

右脳の損傷で出やすく、左側の認識が低下する場合が非常に多いです。

生活場面では、

いつも右側を向いている

歩いていると体の左側をぶつける

道に迷う

などの症状が出ます。

 

生活環境に配慮して補助手段を取ることで

安全に生活が送れるようになります。

 

失行

 

失行とは、運動が可能であるにもかかわらず目的な運動ができない状態を指します。

指示した運動を間違って行う

渡された物品を誤って使う

物品の使い方に混乱する

などが観察されます。

主に左脳の頭頂葉の損傷で出ます。

生活では、

生活動作は支障なくこなせることがあります。

しかし、

手でグーやピースを作ってもらうように指示をすると出来ない

急須でお茶を入れようとすると茶筒で急須の蓋を開けようとして

混乱をする

などが観察されます。

また、右脳の損傷で

着替えをしようとしても、服の着方が分からない

袖に頭を入れようとする

などの失行もあります。

 

場面に遭遇すると首を傾げてしまいますが、

大切なことは、生活動作が自立して成り立つか、

見極めていくことが必要です。

 

失語

失語とは、読む、書く、聞く、話す、理解するといった言語機能に障害をきたす状態です。

人の約90%は左脳に言語中枢があり、主に左脳の前頭葉の下方か側頭葉の上方の損傷で出やすくなります。

話しにくい状態を、運動性失語、

理解をしにくい状態を、感覚性失語、

両方が合わさると、全失語となります。

 

生活場面では、

言葉が出でこないなあ

よく言い間違うなあ

言ったことを理解しているのかな?

などが観察されます。

 

失語は手足の運動障害とは違いますが、会話が出来ないことで心を閉ざしてしまうことがあります。

会話が通じないと、歯がゆく辛いですよね。

見過ごせない症状の一つです。

お互いの心を通わす歩み寄りが大切ですね。

 

遂行機能障害

 

遂行機能障害とは、物事を捉えて考え、計画し、実際に行動に移す過程の障害を指します。

つまり、思考に関する障害であり、司令塔である前頭葉の損傷によって症状が出ます。

生活場面では、

物事を段取りよく進められない

要点をつかめず、話がずれてしまう

予測出来ない出来事が起こるとパニックになる

仕事の優先順位をつけることが出来ない

などが起こります。

 

自立した生活には欠かせない機能ですよね。

社会参加をするためには、

どんな状況で支障が出るのか

周囲の方のサポートと判断が大切です。

 

まとめ

・高次脳機能障害の主な種類

・注意障害

・失認

・失行

・失語

・遂行機能障害

についてお伝えしました。

高次脳機能障害の症状は多彩であり、

人によっても症状は様々です。

 

高次脳機能障害をお持ちの方は、

日常生活にどんな支障があるのか

見極めていくことが必要です。

また、周囲の方々は高次脳機能障害を理解し、

少しでも症状に気づき、

個々に合わせた接し方ができるとお互いに良い関係性が築けると思います。

 

第4回目は、

高次脳機能障害のリハビリテーションの進め方

生活での関わり方

をお伝えいたします。