脳卒中片麻痺では杖を使った方がいいのか?

 

脳卒中片麻痺により歩行障害を抱えた場合、

を使うことがあると思います。

リハビリの始めの頃は杖を使って歩けると嬉しいですが、

リハビリが進み徐々に歩けるようになると

杖を使わない方がいます。

 

上手に歩けるならば杖は必要ありませんが、

無理にでも杖を使おうとしない方がいます。

 

なぜ杖を使わないのか?

そもそもなぜ杖を使うのか?

そして、杖を使った方がいいのか?

 

初めて杖を使う方は

杖を使った方がいいのか、使わない方がいいのか

判断に悩むことがあると思います。

 

今回は、

脳卒中片麻痺の方に

杖を使った方がいいのか

参考になるお話をご紹介いたします。

 

杖を使わない気持ち

 

脳卒中片麻痺の方から

『杖がなくても歩けるし』

『杖は返って邪魔だ』

『障害者と思われたくないから使いたくない』

など、しばしばこんな声を聞きます。

 

どうしてこのような気持ちになるのか?

 

それは、心の中に脳卒中を発症する前の不自由無く歩いていた状態に戻りたいという願望があるからでしょう!

 

子供の時に二足歩行を獲得し何十年と当たり前のように歩いてきたからこそ

障害を負った時の喪失感は大きいもの。

 

再び歩く能力を獲得することは

その人らしさを取り戻すことなのかもしれません。

 

杖を使う目的と2つのキーワード

 

では、何のために杖を使用するのか?

 

杖の必要性を判断する2つのキーワードをお伝えいたします。

 

一つ目は

転ばないように安全に歩くためです。

 

両足と杖で体を支える面が広くなり、安定性が増します。

転倒の恐怖心も減少しますので、安全に歩くことが出来るのです。

 

二つ目は

生活場面で実用的に移動するためです。

 

どんなにカッコよく歩きたいと思っても、移動手段として機能しなければ

意味がありません。

 

杖には麻痺脚の支えの補助や歩行効率を改善する効果があります。

 

一般的に、麻痺脚は筋力低下を招き、踏ん張ると体が崩れやすくなります。

力んでしまい努力的になるため、麻痺特有の筋のつっぱりが増してしまいます。

具体的には

脚全体がピンと伸びたままになる

踏ん張ると足首がガクガクする

足の指が曲がったままになる

などが起きやすくなります。

 

そこで、杖を使うとどうなるでしょうか!?

 

杖を1本使うことで体重の20〜30%程度支えが補えると言われており、

力みを抑えることや

体の崩れを防ぐことができるため

安定し実用的な歩きが可能となるのです。

 

杖の目的や機能を知ると、杖の良さが伝わります!?

 

杖は使わない方がいい?

 

さて、ここまでは杖の良さをお伝えしてきました。

安全性や実用性のためには杖を使った方が良いと思ったことでしょうが、

一方で、

杖を使わない方が良いとおすすめすることがあります。

 

えっ、安定するのに使わない方がいいの?

疑問に思いますが、

どんな場面でしょうか?

 

それは、

杖を使うことで動作が混乱し、

歩きのリズムが著しく崩れる場面

です。

 

脳卒中を発症する前は

2動作のリズムで自然に歩いています。

脚を前に出すことや手を振ることを意識することはありません。

 

しかし、杖を使うことで

手の出し方や杖の着き方、脚の出すタイミング、3動作のリズムなど

途端に意識することが増えてしまうため

しばしば使い方や歩き方に混乱する方がいます。

そうなると、杖を使うことで力みが増し、

動きがぎこちなくなってしまうため、

却って転びやすくなってしまうことがあるのです。

 

なるほど

 

力まずに自然に杖を使えるか

見極めが必要ですね!

 

杖はシンボル

 

イギリスの有名な俳優であったチャップリンは

山高帽に杖をついてガニ股でちょこちょこ歩く姿に愛嬌を感じます。

なぜでしょうか?

杖を使った姿そのものがキャラクターとして根付いたからです。

 

野球のユニフォーム姿でテニスのラケットを持っていたら違和感を感じますが、

バットを持っていたら自然に感じますよね。

 

つまり、場面に見合ったファッションなのです。

 

日本の福祉用具メーカーで販売されている杖のデザインは

ファッショナブルな物が増えていますので、

現代では杖を着く姿は今や自然な姿であり、その人のシンボルなのです。

 

杖と上手な付き合い方

 

どのように杖と上手に付き合ったら良いのか

 

怖くない

安定している

力まない

この3つを観察のポイントにして

 

安全性実用性が確保されているか

杖の必要性を判断してみると良いと思います。

 

周囲の目を気にすることなく、

堂々と杖を使って、

目的の場所にたどり着きたいですね。